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粉末冶金   忘れたらアカン ものづくり

忘れたらアカン、ものづくり のブログを書いている、マーシーです。

今日は、粉末冶金と主要な用途である自動車への適用について述べます。


■ 粉末冶金とは

  粉末冶金(Powder Metallurgy,略してP/Mとも書く)は,金属やその化合物の粉末を
  
 結合させて材料や品物を作る技術です。原理的にはセラミックス製品やビスケット類の
  
 生産技術と共通点が多いです。金属材料は普通は鋳造,鍛造,切削,溶接など溶解と凝固
 
 により加工します。ところが粉末冶金法では、原料粉末を溶融させることなく製品にし
 
 ます。

  粉末冶金の製品は90%近くが自動車向けで、他の加工法にない利点があるため用途拡
  
 大が続いています。日本製乗用車1台当たり約8kg、アメリカではその2倍を使用してお
 
 り、なお増大の見込みです。


■ 製造工程

  機械部品を製造する工程を簡単に示すと次の順序になります。

 (1)粉末生産

   機械部品の生産者は、普通主原料や添加物の粉末を外部から購入します。

 (2)混合
 
   生産工程の第一歩です。原料として1種類の粉末のみ用いる場合も成形用の潤滑剤

  を粉末に混ぜます。合金粉は硬くて圧縮がよく効かないから、材料の成分元素は純

  粉末の形で加えることが多いですが、原料メーカで元素粉を混合して弱く結合した
  
  複合粉の利用は、成分均一化により製品特性の均一化に有効です。

 (3)成形

   混合した粉末を金型に入れて500~600MPaで加圧成形します。機械部品の生産は
   
  精密な金型とプレス機械が必要です。常温の外、約150℃で温間成形も行われます。

  金型の要素は外型と上下のパンチが基本で、コアロッドを用いると製品を上下に畳通
  
  する穴を設けることができます。特別な場合は外型を分割します。
  
   焼結製品を中間素材として高温鍛造し空孔を無くすのが粉末鍛造であり、日本で

  普及型車種のコネクティングロッドに適用されたのをきっかけに、世界的に量産部品

  への適用が進みました。

 (4)焼結

   常温で加圧成形した品物を圧粉体と呼び、強度はチョークくらいであるが、主成分
   
  の融点の70~80%の温度に数十分間加熱して焼結するとほぼ鋳鉄なみの材質になり
  
  ます。鉄系では1120℃で20~30分焼結し,保護雰囲気として窒素と水素の混合ガスや
  
  天然ガス系の変成ガスをよく用います。

 (5)再加圧
  
   焼結したまま使用する製品もあるが、高い寸法精度を要するときは焼結後に冷間

  で再加圧をし、密度を上げるための再加圧では再焼結を加えることもあります。
  
  主原料を溶かさない、型で成形する、この2点から長所と用途が出てきます。



■ 長所

 (1)高融点材料
  
   高融点の金属と化合物(融点がほぼ2000℃以上)は粉末冶金法で加工されます。

 (2)多孔質合金
 
   空孔の大きさと量、中を通る流体の透過性は、原料粉の粒度や粒形と成形・焼結
   
  条件によって広い範囲に調節できます。代表的用途である含油軸受には鉄-銅系と
  
  銅-スズ系が多く用いられます。

 (3)複合合金
 
   互いに溶け合わない成分の粉末を混ぜて材料を製造できます。車両のブレーキライ
      
  ニングに使う摩擦材は、金属粉にシリカを混ぜてつくります。

 (4)低温加工
 
   高温で分解や結晶粗大化を起こす材料も比較的低温で加工できます。工具に用いる
   
  タングステンカーバイドはこの例で、コバルトを少し混ぜて焼結すると緻密で強靭な
  
  材料つまり超硬合金が得られます。

 (5)偏析回避
 
   高速度鋼は溶湯を一度粉末にし、圧縮焼結によって鋼塊を造る方法で偏析を避けら
   
  れます。

 (6)量産部品
 
   複雑形状の精密部品として自動車、家電製品、情報・事務機などに広く使われ、

  強さが1000N/m2を超える強靭な材料の安定的製造も原料と工程の高度な管理によって
  
  可能です。焼結法で二つの部品を一体化して製作するとき、単一部品に比べてコスト
  
  はあまり増加しないから、組立工程の省略まで含めると競争力が大きくなります。
  
 (7)複合部品
 
   日本で開発された焼結力ムシャフトはカムとジャーナルに別々の焼結耐摩耗合金を
   
  使い分け、切削製品のギヤとともに軽量の鋼管製シャフトにはめ、焼結と同時にろう
  
  付して製作されます。このカムで駆動されるロッカーアームにも複合部品があり、
  
  いずれも他の方法で困難な適材適所の組合せを実現できます。

 (8)高価格材料
 
   鋳物のような湯道や鋳張りがなく削り屑もでないので省資源効果が大きいです。


■ 短所

   粉末冶金法の欠点として、機械部品では次の項目があげられます。

 (1)原料価格
 
   通常の金属は塊状よりも粉末の方が高価です。

 (2)粉末挙動

   粉末は流体と異なりますから、成形の際高さ方向に密度差が生じます。

 (3)高さ方向精度
  
   これはプレス機構に依存するからあまりよくありません。

 (4)残留空孔
 
   複雑な金型の損傷を避けるために加圧力を抑えれば、空孔が10%程度残るから同一

  成分の溶製材より弱くもろくなります。

 (5)形状制限
    
   成形時の金型と粉末の動きで形状が制約されます。。


■ 金型価格

   高価なので,他の製造方法と競争するには量産が条件となる。


■ 寸法制限

   製品寸法は、プレスの容量と焼結炉の間口によって制限されます。外径160mmの
   
  部品は大型部品のほうです。


■ 粉末冶金の新技術=金属射出成型法

   この技術では多量のプラスチックに比較的高価な微粉末を混ぜて一緒に射出成形
   
  し、その後に脱脂(プラスチックを除去)して粉末を焼結だけで高密度化して製品と
  
  します。粉末コストや脱脂に時間を要するが小型部品に適し、情報機器などへの採用
  
  が増しています。



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ジャンル : ビジネス

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出雲王

 今や時代はS-MAGIC。

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 それにしても日立金属製の高性能冷間工具鋼SLD-MAGICの自己潤滑性の評価が高い。塑性加工金型のカジリを防ぐメカニズムが最近わかったようで、摩擦面に自動的にナノベアリング状の結晶が生成されるとのこと。耐かじり性の指標であるPV値も通常の鉄鋼材料の6倍と世界最高水準と報告されている。
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No title

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