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サーフェース熱処理  忘れたらアカン ものづくり

忘れたらアカン、ものづくり のブログを書いている、マーシーです。

今日は、サーフェース熱処理についてのお話です。



再掲
■バルク熱処理とサーフェース熱処理
  熱処理は大きく分けると、バルク(全体)熱処理とサーフェース
 (表面)熱処理の2種類に分類されます。

  バルク熱処理とは、ワーク全体の体質改善を行うために行う熱処理
 であり、サーフェース熱処理はワークの表面だけの体質改善を狙って
 行う熱処理です。それぞれ目的が異なるので熱処理のテクニックも異
 なります。
  ここでは、サーフェース熱処理について述べる。


■サーフェース熱処理
  サーフェース(表面)熱処理には、表面硬化熱処理(表面を硬くする
 熱処理)、表面 軟化熱処理(表面を軟らかくする熱処理)、表面滑化
 熱処理(表面の摩擦係数を小さくして焼付きを少なくする熱処理)の
 三通りがあります。いずれも表面だけを焼入硬化したり、炭素(C)、
 窒素(N)、硫黄(S)、酸素(O)などのガスを鋼表面に浸み込ませて、
 表面層の性質を変えるプロセスをとります。

  また、刃具などで見られるチタンの炭化物(TiC)やチタンの窒化物
 (TiN)を蒸着させる方法を表面改質法といいますが、これもまた表面
 硬化法の一種です。


■表面硬化法(サーフェース・ハードニング)

 ■■浸炭(HC、カーブライジング)
   鋼の表面に炭素(C)を浸み込ませるプロセスを浸炭といい、その
  後で焼入れして表面を硬化させます。つまり、浸炭+焼入れという
  プロセスをとります。そのために浸炭後再加熱焼入れということになり
  ますが、工程の簡略化、熱エネルギーの節約という観点から、浸炭直接
  焼入れ(ジカ焼入れ、ダイレクト・クエンチング、D.Q.という)が盛ん
  に行われています。浸炭焼入れ後は低温テンパ(約200℃)を行います。

   浸炭するには、固体浸炭(木炭)、ガス浸炭、液体浸炭の3種類があ
  りますが、現在ではガス浸炭が最も一般的です。最近では真空浸炭と
  いって真空炉を使って浸炭する方法が多用されています。真空浸炭と
  いっても真空中では浸炭が行われるのではありません。

   真空浸炭というのは、加熱を真空炉で行い、この真空炉中に浸炭性
  ガスを導入して浸炭するプロセスで、いわば真空炉加熱・ガス浸炭の
  一種です。浸炭後、焼入れ・焼戻しを行うことは勿論です。

   その他、特殊浸炭法としては、プラズマを利用するプラズマ浸炭
  (イオン浸炭ともいう)があります。


 ■■窒化(HNT、ナイトライディング)
   鋼の表面に窒素(N)を浸み込ませるプロセスを窒化といいます。
  窒化温度は500~600℃で、窒化後は焼入れをする必要はなく、そのまま
  で硬化させます。硬さは高い(約1,000HV)ですが、硬化層は浅い。

   これに対して軟窒化といって硬さが約1/2(500HV前後)の窒化法が
あります。これは疲労強度の向上に有効で、ガス法、塩浴法(タフト
ライド)などがあります。また、浸炭と同じようにグロー放電を利用
  するプラズマ窒化(イオン窒化)も行われています。


 ■■酸化(オキシダイジング、ホモ処理)
   鋼の表面に酸化膜を形成させるプロセスで、四三酸化鉄(Fe3O4)を
  作る方法は水蒸気処理ともいわれています。耐食、耐摩耗性に効果が
 あります。窒化と同時に行う酸窒化法も耐摩耗性に優れています。

  以上の三法はいずれも表面層の化学的反応を利用する表面硬化法なので、
 化学的表面硬化法ともいわれています。


 ■■高周波焼入れ(HQI、インダクション・ハードニング)
   高周波による表皮効果(スキン・エフェクト)によって、処理物
  (ワーク)の表面だけを加熱して焼入硬化するプロセスです。

   耐疲労性と耐摩耗性が向上します。急熱、急冷の焼入れなので、
  動的(ダイナミック)焼入れともいわれています。

   高周波焼入後は、通常低温テンパ(約200℃)を行います。この
  焼戻しは電気炉加熱によるのが一般的ですが、最近は高周波テンパ
  も行われています。


 ■■炎焼入れ(HQF、フレーム・ハードニング)
   ガス火炎によってワークの表面を加熱して焼入硬化する方法です。
  一般には酸素-アセチレン火炎を使用する。フレーム焼入れ後は低温
  テンパを行いますが、フレーム(火炎)テンパすると焼戻し割れを
  生じやすいので、電気炉加熱テンパを行うが安全です。

 ■■レーザ焼入れ
   レーザ・ビームを使って鋼の表面を線状の螺旋状あるいは縦線状
  (虎刈状)に加熱焼入れする方法で、急冷は自己冷却(セルフ・クエンチ)
  によります。硬い部分と軟らかい部分が交互に存在するので、耐摩耗
  性を発揮します。焼戻しは行わないのが普通です。

 ■■アーク放電加熱焼入れ
   レーム(火炎)の代わりに、アーク放電を利用して表面を加熱し、
  自己冷却焼入れする表面硬化法です。表面を溶融することがあるから、
  注意を要します。テンパせずにそのまま使用するのが一般的です。
   従って、研摩割れを起こすことがあるから、低温テンパ(約200℃)
  することが望ましい。

 ■■溶融表面硬化法
   主として鋳鉄品の表面硬化に利用される方法です。フレームや高周波
  加熱によって 鋳物の表面を溶融し、セルフ・クエンチによってチル
  鋳物(白銑)にして硬化するプロセスです。一名チル硬化法ともいわれ
  ています。大形鋳鉄部品の表面硬化に便利です。
 

 以上の表面硬化法は、物理的表面硬化法といって化学的表面硬化法と区別されている。


 

■表面軟化法(サーフェース・ソフニング)
  表面硬化法と反対に表面を軟化するプロセスです。表面脱炭が主に行わ
 れます。熱処理、特に焼入れにおいては脱炭は焼割れや軟点(ソフト・
 スポット)の原因として 忌避されがちですが、フェライト脱炭(0%C)
 すると焼入れによって外軟内硬の状態となって、表面の切欠き感受性が低下
 し、耐衝撃性がアップします。
 

■表面滑化法(浸硫、サルファライジング)
  鋼の表面に硫黄(S)を浸み込ませると、摩擦係数が小さくなり焼付きが
 起こり難くなります。電解浸硫(コーベット法)によると、190℃という低温
 で浸硫ができるので、低温テンパを兼ねることとなり、現場的に便利な方法です。


■表面改質法(サーフェース・モディフィケーション)
  TiCやTiNを鋼の表面に真空蒸着(V.D.)して耐食、耐摩耗の性質をアップさせる
 表面硬化処理の一種です。鋼表面の性質が改質されるので、表面改質といわれます。
  これには、化学的蒸着法(C.V.D.、処理温度は約1,000℃)と物理的蒸着法
 (P.V.D.、処理温度は約500℃)の二法があります。膜厚は非常に薄く、衝撃には
 強くありません。主として 工具類に適用されています。




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