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熱処理_微妙な言葉の違い 忘れたらアカン ものづくり

忘れたらアカン、ものづくり のブログを書いている、マーシーです。

今日は、熱処理に関するタームの微妙な使い分けについてのお話です。



■今日は、熱処理で注意したほうが良いことを何点か述べます。



■焼入温度と急冷温度の違い
  焼入れのために加熱する温度が焼入温度(オーステナイト化温度、
 TA)であり、焼入液に入れる温度が急冷温度(クエンチング温度、
 TQ)である。実際的に、焼入れ温度TAからいきなり焼入液に入れる
 事はできませんので、多少の遅れが生じます。その遅れは最大約
 100℃までは問題ありません。つまり、TA-TQ≒100℃ということに
 なります。TAで急いで焼入れしなくても、約100℃遅らせて焼入れ
 してよいことになります。これは遅らせ焼入れといわれるものです。

  TAで焼入れせずに、TQで焼入れすると、作業が楽なばかりでなく、
 焼きがよく入るようになります。



■硬焼きと深焼きの違い
  焼入硬さは鋼のC%のみに依存し、特殊元素にはほとんど影響され
 ません(構造用合金鋼の場合で工具鋼は除く)。つまり、焼入硬さ
 (硬焼き)=f(C%)、最高焼入硬さ(HRC)=30+50×%Cで表さ
 ます。しかし、焼入硬化深さはC%だけでなく、Cr、Mn、Moなどの
 特殊元素量(A%)や、結晶粒度(G)によって変わってきます。

  つまり、焼入硬化深さ(深焼き)=f(C%,A%,G)となります。
  従って、硬く焼きを入れるためには、C%の高い鋼、深く焼きを
 入れるためには合金鋼がよいということになります。S45CはSCM435
 よりは硬く焼きが入りますが、焼入深さは浅くなります。焼きが
 よく入ったということは硬く焼きが入ったこと(硬焼き)で、深く
 焼きが入ったこと(深焼き)ではありません。硬焼きと深焼きを
 間違えてはいけません。


■昇温時間と保持時間
  熱処理温度までの物の温度を上げるのに要する時間が昇温時間で
 あり、所要の熱処理温度に保つ時間が保持時間です。昇温時間は
 物の大きさによって異なり、焼入れ温度(TA)まで大体1インチ
 (25mm)角30分の割合で上昇させます。大物は遅く、小物は早くなり
 ます。しかし、保持時間は物の内外が所定の熱処理温度になってから
 保持する時間であるから物の大きさには関係せず、鋼質によって
 異なります。C鋼(S45C)はほとんどゼロでよく、工具鋼は炭化物
 の種類と大きさによって異なるが、大体20分位で問題ありません。
 保持時間もインチ30分といわれているが、これは全く必要ありません。
  昇温時間と保持時間を合算したものが加熱時間になります。

  昇温時間=f(物の大きさ)、保持時間=f(鋼の種類)

  昇温時間+保持時間=加熱時間


■臨界区域と危険区域
  焼入れに必要な急冷温度範囲、つまり、ここだけはどうしても
 早く冷やさなければ焼きが入らないという必要温度範囲を臨界区域
 (critical zone)といい、通常Ar'の記号で表し、焼入温度(TA
 からおよそ550℃までの温度範囲です。臨界区域を早く冷やされた
 鋼が焼きが入って硬くなる温度がAr”(Ms点ともいう)で約300℃
 以下です。
 
  この温度範囲で焼割れや焼曲りが生じてオシャカになる危険が
 ありますので、危険区域(dangerous zone)といっています。
  うまく焼きを入れるには、臨界区域のみを均一に早く冷やして、
 危険区域をゆっくり冷やすことです。そうすると「割れず、硬く」
 焼入れすることができます。




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