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熱処理の言葉色々 忘れたらアカン ものづくり

忘れたらアカン、ものづくり のブログを書いている、マーシーです。

今日も、熱処理に関するタームの微妙な使い分けについてのお話です。

熱処理で注意すべき焼きひずみとエフェクトについて述べる。


■焼歪みの二形態
  焼歪みには変寸(dimension change)と変形(shape change)の
 2つがあります。変寸というのは寸法の変化、つまり伸び、縮み、
 太り、細りをいい、方向性のない対称型の 焼きひずみであり変態
 ひずみともいいます。
  一方、変形とは形の変化、つまり曲り、捩れなどをいい、方向性
 のある非対称型の焼きひずみであり、熱ひずみともいいます。

  焼きを入れると組織が変わるので、変寸は焼き入れに伴い必然的
 に起こります。変寸が許容できないなら焼き入れを行わないように
 する必要があります。ちなみに、変寸は鋼種によって異なり、SK
 材で約+0.3%、SKS材で約+0.2%、SKD11では約+0.1%変化し
 ます。変寸量は、焼き入れで残留オーステナイトの割合が大きいほ
 ど小さくなります。
      
  問題は変形の方であり、特に焼曲り(ダレ曲り(バナナ曲り))
 です。ダレ曲りは冷却のムラによるものであって、早く冷えた側が
 凸になります。従って、急冷は均一に行うことが大切であって、
 それにはスプレークエンチが適しています。
  焼曲りを直すには冷間矯正でなく、温間若しくはプレステンパが
 適用されます。冷間矯正ではストレスが残るのでよくありません。
 

■3つのエフェクト(効果)
  鋼を焼入れするときは3つのエフェクト(効果)を考えなくては
 なりません。3つのエフェクトとは、マス・エフェクト(質量効果)、
 シェープ・エフェクト(形状効果)、コーナー・エフェクト(隅角
 効果)の3つです。

 ■■マス・エフェクト(質量効果)
   同じ材質でも大形になると焼きが入りにくくなります。この大きさ
  によって焼きの入り方が違うことをマス・エフェクト(mass effect)
 といいます。マス・エフェクトが大きいということは鋼材のマス
 (大きさ)によって焼きの入り方の違いが大きいということであり、
 大物になるほど焼きが入りにくいということを意味します。
   逆にマス・エフェクトが小さいということは小物は勿論、大物
 までもよく焼きが入るということです。S-C材はマス・エフェクトが
 大きく、低合金鋼S-A材はマス・エフェクトが小さいということにな
 ります。従って、大物を焼入れするときは、S-A材(例えばSCM435)
 を使う必要があります。

 ■■シェープ・エフェクト(形状効果)
   同じ材質でも品物の形によって冷え方、従って焼きの入り方が
  異なります。一番冷え方が早いのは球で、一番遅いのは板です。
   その割合は球:丸棒:板=4:3:2になります。この形状による
  焼きの入り方の違いをシェープ・エフェクト(shape effect)と
  いいます。

 ■■コーナー・エフェクト(隅角効果)
   同じ品物でも部位によって冷える割合、つまり焼きの入り方が
  異なります。これをコーナー ・エフェクト(corner effect)と
  いいます。
   例えば平面を1とすると、二面角(稜)は3、三面角(角)は7、
  凹み角(隅)は1/3となり、焼きの入り方が異なります。この
  ために、隅、角、部は焼割れを起こしやすいので注意を要します。


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これって革命的じゃない?

日本鉄鋼協会 第164回秋季講演大会
創形創質工学
9月17日9会場
トライボロジー
9:20~10:20 座長明石透[新日鐵]
181鋼板のホットスタンピングにおける熱伝達特性
横国大 Yokohama National Univ. ○松田大樹, 横国大 Yokohama National Univ. 小豆島明, 横国大
Yokohama National Univ. 田中雄大, 横国大 Yokohama National Univ. 宇田紘助
・・・1035

182クラスターロールにおけるロール表面性状の変化機構
東北大 Tohoku Univ. ○柴田雅俊, 東北大 Tohoku Univ. 藤田文夫・・・1036

183自己潤滑型高強度工具鋼のトライボロジー特性の評価★新型合金設計による自己潤滑性に及ぼす熱処理・表面状
態の影響
日立金属 Hitachi Metals ○久保田邦親, 日立金属 Hitachi Metals 大石勝彦, 日立金属 Hitachi Metals
田村庸
・・・1037

エンジンダウンサイジングの新潮流

 それにしても日立金属製の高性能冷間工具鋼SLD-MAGIC(S-MAGIC)の自己潤滑性の評価が高い。塑性加工金型のカジリを防ぐメカニズムが最近わかったようで、摩擦面に吸着している微量なオイルを自動的にナノベアリング状の結晶へ変換されるとのこと。耐カジリ性(耐焼付き性)の指標であるPV値も通常の鉄鋼材料の6倍と世界最高水準と報告されている。
 これはどういうことかというと、例えば自動車のエンジンや動力伝達系部品のしゅう動面積を1/6にすることを意味し、大幅な軽量化による低燃費化が期待できることを意味している。トライボロジー技術にはまだまだ発展する物理・力学的な未知が多いように思われる。

塑性加工業

 SLD-MAGICはすごい人気ですね。金型業界でも耐久性抜群でよく鍛造パンチなんか製造されているのを見かけますが、今後自動車部品などにも展開されようとしているんですね。

環境性能新理論

 そのメカニズムはCCSCモデル(炭素結晶の競合モデル)といって、すべりの良さばかりでなく、摩擦試験データのバラツキが信頼性工学で言うバスタブ曲線になることや、極圧添加剤の挙動、ギ酸による摩擦特性の劣化挙動など色々と説明ができそうなトライボロジー理論らしいですね。トライボロジー関連の機械の損傷の防止、しゅう動面圧の向上設計を通じた摩擦損失の低減、新規潤滑油の開発など様々な技術的展開が広がっていきそうですね。

小物と大物の熱処理感覚は違う

 いくら高焼入れ性だといっても、冷却速度がおんなじだったら低焼入れ性のもので割れていたものが割れなくなることは無い。厚物50mm以上の世界で、ピン角まで施したいのであれば、硬さも効率性も忘れて、じっくりと割れない熱処理をする。それもその後の放電加工を禁止せざるを得ない、低温焼戻しの採用も含めて。
 そういう感覚が無いよね今の時代。

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