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熱処理用語の続き 忘れたらアカン ものづくり

忘れたらアカン、ものづくり のブログを書いている、マーシーです。

今回も、熱処理のタームとして、覚えておくべき言葉について続けます。


■変態
  変態と変化は全く異なる。変態は性質がガラリと急変することであり、
 仮面ライダーの変身ともいうべきものです。一方、変化とは性質が徐々
 に変わることをいいます。

  鋼には変態点が5つあり、A0~A4の記号で表します。変態があるから
 こそ、鋼は熱処理によって性質が大きく変化します。

  5つある変態点の中でA1変態が一番重要で、その温度(A1点)は
 727℃で、これは炭素量に関係なく一定の値を取ります。もう一つ重要な
 変態点に、A3変態点(純鉄で900℃、炭素量が増加するに従って低下して、
 炭素量が0.8%以上ではA1変態点に一致する)があります。

 焼入れや焼なましはA1(A3)+50℃ の温度に加熱した後、急冷
 (硬くなる)したり徐冷(軟らかくなる)したりします。

  A1点以下の加熱ではどんなに早く冷やしても焼きは入りません。硬く
 するのも軟らかくするのも加熱温度は皆同じで、冷やし方が違うだけです。
  早く冷やせば硬く、ゆっくり冷やせば軟らかくなります。
  つまり、冷やし方一つで硬いも軟らかいも決まります。


■Ms点
  マルテンサイトになり始める温度、つまり焼きが入って硬くなり始める
 温度で、約300℃以下です。このとき冷却速度が早いと焼割れを起こして、
 品物がオシャカになる危険があるので、危険区域ともいわれています。
 昔はAr”の記号で表していました。マルテンサイトになり終わる温度を
 Mf点といいます。



■焼入性(hardenability)
  焼きの入り方には硬焼きと深焼きの二通りがあることは知ってますか。
 硬焼きは鋼のC%のみに依存します。一方、深焼きはC%、A%、Gによって
 変化します。深焼きは焼入性に深く関係しており、焼入性=深焼きと考え
 てもよろしいです。
 
  鋼の焼入性をテストするにはジョミニー式試験(一端焼入試験法)に
 よってジョミニー・カーブ(Jカーブ)を求めます。JカーブやHカーブ
 ともいい、鋼の成分毎にバンドで表されます。これをHバンドといい、
 Hバンドが規定された鋼をH鋼といいます。確実に焼入性を期待するなら、
 Hバンドの大きい鋼を選択します。


■C.C.T.曲線とT.T.T.曲線(S曲線)
  焼入れを連続冷却で行ったときどのような変態が起きて組織が変わるか
 ということを、縦軸に温度(℃)、横軸に時間(対数目盛)をとって書き
 表した曲線をC.C.T.曲線(連続冷却変態曲線)といいます。
  これに対して、等温冷却を行ったとき、変態開始と終了を、同じく縦軸
 に温度(℃)、横軸に時間(対数目盛)をとって書き表した曲線をT.T.T.
 曲線(時間温度変態曲線)といい、その曲線がS字形をなすところから、
 S曲線ともいわれています。
  いずれも冷却による組織変化の内容や冷却方法を検討するときに使用します。


■Uカーブ(U curve)
  丸棒の焼入れや焼戻した時の横断面の硬さ変化をプロットした曲線、
 その形状がU字形をなすところからUカーブといわれています。
 鋼の焼入性や冷却液の冷却能を比較・検討するときに使用します。

  表面固さ(HRC)とUカーブの下の面積(A)、それに中心部の硬さ(C)、
 つまり、R-A-Cをもって焼入性を比較することもあります。


■H値(H-value)
  焼入液の急冷度(severity of quench)を表す数値をH値といいます。
 水を1とすると、油は0.3、空気は0.02になります。単位は1/インチで表します。


■研磨割れ(grinder crack)
  焼入れし放しのものをグラインダ研摩したとき、研摩表面に現れるヒビ
 割れを研摩割れといいます。その原因は焼入れによって生じたマルテン
 サイトが研摩熱によって表層だけが焼戻しされ、収縮変化するための生じる
 引張割れです。

  約100℃の研磨熱によって生ずるものを第一種研摩割れといい、研摩方向と
 直角に発生します。続いて約300℃の研摩熱によって生ずるものを第二種研摩割れ
 といい、亀甲状(チェック状)に生じます。

  研摩割れはグラインダ研摩中でなく、研摩後冷却中に発生、進行します。
 研摩割れは一種のヒートクラックで、その深さは0.2mm前後で深くはありません。
  焼戻し後に研削し直すと研摩割れは除去できます。
  研摩割れを防ぐには、研摩前に焼戻しをしておくことである。第一種研摩割れ
 を防止するには100℃テンパ、第二種研摩割れ防止には300℃テンパが推奨されます。


■露点(dew point)
  熱処理炉内の雰囲気中の水分が凝縮し始める温度を露点という。ガス浸炭の
 場合、露点でカーボン・ポテンシャル(C.P.)を調節します。








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テーマ : ものづくり
ジャンル : ビジネス

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日本力は世界一(トライボロジー)

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