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腐食の種類   忘れたらアカン ものづくり

忘れたらアカン、ものづくり のブログを書いている、マーシーです。

今日は、腐食の種類について、30年位前に発行された雑誌に記載されたものに
基づいています。



■均一腐食 ( uniform corrosion )

  均一腐食とは、金属表面全体にわたって,一様に起こる腐食をいいます。
全面腐食( general corrosion )ともいいます。 空気中、液中、土壌中、
ときには通常の雰囲気のもとでも起こります。その速度は遅いか或いは速い
の何れかです。 期待される有用寿命は,全面肉厚減少率を基として計算でき
ますが、使用期間の全周期にわたり腐食速度が同じ場合は少ないので、変動
の原因となる環境因子(とくに温度、湿度など)を適当な間隔で周期的に点検
しないと,思わぬ腐食故障に遭遇します。


■点食 ( pitting corrosion )

  点食は局部的な腐食の代表的なものです。孔食( Lochfrasskorrosion )と
呼ばれています。

  一般的には、数が多くて小さいピットを発生する点食のほうが均一腐食
に比べてより安全な側になります。 研究室での試験で、点食発生の有無、
或いはその程度を検出することを困難にしている原因は、ひとつには月或いは
年の単位で点食が開始すること、ひとつには、試験片の表面積が小さすぎる
ため、実装置との統計的つながりを欠くことにあります。

  孔食の過程で過剰の陽(金属)イオンがピット内に生じるいっぽう、塩素
イオンのような点食性イオンが,ピット内へ向かつて移動(拡散)します。
その結果,ピット内は濃厚な各種金属極化物水溶液となり、それらの加水
分解によって生じた塩酸が,ピット内部の水溶液を酸性(pH=1~3) にします。
つまり、ビット内の水溶液と外部の水溶液とは全く別のものになります。 
塩化物濃度はとくにピット底部で高くなるので、 ピットは横に広がるより
縦に進行していきます。

  点食の発生の原因は金属表面の局所的不均質、保護皮膜(不働態皮膜
その他)の局部的な化学的ないし機械的破壊、比較的離れた場所にある
カソード(銅の析出など)から受けるガルパノ腐食効果,汚れとして含まれる
固体の付着か、堆積による金属イオン濃淡電池形成か、溶存酸素の濃淡電池
形成などがあります。

  両性金属であるアルミニウムやマグネシウムなどは、ピット内に生成した
水酸化物が電離し、鋼の場合と反対にピット内のpHを高めながら腐食します。

点食を防ぐには、適切な材料への材質変更が必要になります。写真に、分解
塩酸を含む蒸気による316系ステンレス鋼溶着金属の孔食を示します。






■浸出腐食 ( selective leaching, Leaching )

  浸出腐食とは、合金中の特定の元素だけが選択的に溶出する腐食をいいます。
黄銅中からの亜鉛の溶出(脱亜鉛,多くは静止水中で発生)、アルミニウム青銅
からのアルミニウムの溶出(脱アルミニウム,塩酸,複素イオンを含む酸中など
で発生)、キュプロニッケルからのニッケルの溶出(高い熱負荷と低い流水速度
のもとで発生)、モネル中からの銅、あるいはニッケルの溶出(ふっ酸その他の
酸中),ネズミ鋳鉄における黒鉛の残留(黒鉛腐食、土壌中、多くの水中))、
高ニッケル合金中からのクロム,鉄,モリブデン,およびタングステンの溶出
(溶融塩中)などが、浸出腐食の例です。脱合金(de-alloying) ということもあり
ます。


■粒間腐食 ( intergranular corrosion )

  オーステナイト系ステンレス鋼は、チタニウムかニオピウムで固溶炭素を
安定化するか、炭素含有量を低く( 0.03%以下 )抑えない限り、約550~850℃
から徐冷すると、固溶クロムが炭化物として析出して、結晶粒聞に耐食性が乏し
くなるゾーンが生じます。

  写真に銅イオンを含むホルマリン熱液による316系ステンレス鋼の粒間腐食
を示します。フェライト系ステンレス鋼も,約 850~900℃ から急冷すると
クロム欠乏域やクロム炭化物を生じて、粒問腐食を起こしますが、実用上は問題
とならないことが多いといわれています。

  析出硬化系高ニッケル合金,たとえばインコネルX-750 のようなものは,沸騰
濃硝酸( ~75% )、低濃度の塩化物を含む高温水により粒間腐食を起こします。
70/30黄銅は希硫酸、硫酸第二鉄、,塩化ピスマス,その他の水溶液中で粒間腐食
を生じることがあります。アルミニウム合金はCuAl2、Mg5Al8、Mg2Si、MgZn2、MnAl6
など多様な析出物が原因となり、蒸気,海洋雰囲気中で粒間腐食を起こします。
粒間腐食予防のためには、すべての金属において、溶体化熱処理が必要です。





■濃淡電池腐食 ( concentration-cell corrosion )

  溶存酸素,金属イオン,水素イオンなどの局部的な濃度差により局部電池が
構成されると、その電位差に応じた腐食が起こります。たとえば,希食塩水中の
鉄鋼はpHが3.5~9ぐらいの範囲で酸素濃度の高い部位がカソードとなり、酸素
濃度の低い部位を腐食します。

  しかし、より酸性の雰囲気にするとこのような通気差電池は解消します。
金属の種類、温度、濃淡部位の面積比などの影響も受けるので、注意する必要が
あります。要するに、 溶在成分の濃淡ができないように、かく枠,流動などの
面から工夫する必要があります。



■隙間腐食 ( crevice corrosion )

  金属表面上の隙間は、濃淡電池により隙間腐食を起こします。狭い金属同士
の接合部、固形物の付着部、非金属との接触部などは、いずれも隙間腐食の場所
となりえます。

  隙間腐食は、同一溶液中における均一腐食より10倍とか100倍とかいう速い
割合で起こります。例えば、304系ステンレス鋼の薄板にゴムパンドをかけて海水
に浸漬しておくと、最終的にゴムバンドをかけた部分で板が二分されてしまいます。
  金属イオン濃淡電池による場合は、隙間の少し外側のところで、腐食が加速
され易くなります。酸素濃淡電池の場合は、隙間の奥で腐食が加速される場合が
多いです。
  どちらも、腐食する場所は低濃度のゾーンに相当します。写真は、ガスケット
の当たり面(304系)のすきま腐食を示します。ステンレス鋼のように不働態化する
金属では、最初の原因が酸素濃淡電池(一般的には酸化剤濃淡電池)であっても、
腐食の進行は不働態/活性態電池によることになります。

  液レベルの上下動は、 塩類の析出と付着を促してその下部に隙間をつくり、
保温材を浸透した液が隙間腐食の場をもたらし、もしその液が塩素イオンを含む
場合は、ステンレス鋼に応力腐食割れを起こします。
  ガラス繊維に用いるフェノール樹脂が、高温で分解して塩素イオンを浸出し
たり、ウレタンフォーム中の難燃剤が分解して、塩素イオンやりん酸イオンを
浸出したりしますので、とくに注意しなくてはなりません。

  そのほか,汚れとして混じっている固形物の付着、堆積、あまり浮動しない
海洋性生物の付着などにも注意しする必要があります。

  すきま腐食の防止には,けい酸ソーダ、亜硝酸ソーダなどのインヒピタを加
えたり、保温剤の場合は、耐水性化合物かシースを保温剤にかぶせるなどの工夫
が行なわれています。







■温度差電池腐食 ( differentioal-temperature cell corrosion )

  塩水溶液中の銅とその合金、およびニッケルとその合金は、高温部分が
カソードとなり低温部分をアノードとして腐食します。鉛とその合金も同様です
が、銀においてはその極性が逆となり、温かい面が優先的に腐食します。

  通気した希塩化物溶液中の鋼は、より温かい面で腐食しますが、通気の程度、
流速のいかんによっては、冷たい面が腐食する場合もあり、実に複雑なものです。




■ガルバノ腐食 ( galvanic corrosion )

  イタリアのガルバノ( Galvano )は、1800年に初めて電流を発見した人です。
異種の金属が接触して電解質中におかれると、卑な金属の腐食が加速されます。
その程度は相接する金属間の電位差と本質的に関係しますが、両金属面の面積比、
液温、水溶液の電導度などの要因とも深く関係します。写真に、316系ステンレス
鋼と銅との組合せによるガルパノ腐食の例を示します。






■流速の影響 

  図に、流速が腐食ヘおよぽす影響を示します。流速の影響はターボポンプなど
の回転機械にとって、とくに興味深い問題です。流速の一般的効果は、濃度を均一
化して濃淡電池の原因を解消し、沈殿固形物を洗い流して、点食、隙間腐食( こ
の場合、堆積物腐食ともいいます)の原因を解消することなどです。
  反面不都合な影響は、カソード反応にあずかる酸化剤( 溶存酸素、溶存塩素、
酸化性金属イオンなど )が腐食を起こしつつある界面へ、より多量に供給される
ため、それだけ腐食速度を増大することであります。
  管内層流腐食速度は,流速の約1/3乗に比例して増大します。平板上層流腐食
では流速の約1/2乗、回転平板層流腐食では角速度の約1/2乗にそれぞれ比例した
腐食速度が認められます。乱流腐食ではそれぞれ約7/8条。約7/8乗。および約9/10乗
に比例して、 腐食速度が増大します。曲管部では、さらに二次的流れが腐食を
加速します。

  図に示す移り変わり(遷移)領域で起こる変化は、酸化剤の供給が十分となり、
良好な保護性皮膜でしだいに表面が覆われるために生じます。それ以上に流速を
増しても、このような保護性皮膜の破壊が起こらないかぎり,つぎのエロージョン
腐食域へ突入することはありません。

  ステンレス鋼はよどんだ海水中で容易に点食を起こしますが、ポンプの羽根と
して回転していると、完全に不働態化して腐食しません。

  エロージョンの語源は、“かじる"という機械的作用による損耗をさしていま
すが、腐食がそれを促進するときは、これをエロージョン腐食と呼んでいます。
インピンジメント腐食、キャピテーション腐食などもエロージョン腐食の一種です。
写真にウォーサイト製ポンプ軸の、写真に高けい素鋳鉄製ポンプケーシングの
エロージョン腐食の例を示します。










■応力腐食割れ ( stress corrsion cracking )

  応力腐食割れは,応力集中点と環境との組合せ効果により、機械/環境的プロ
セスとして起こります。もう少し詳しく述べますと、引張りひずみ過程と特別の
腐食媒とが同時に作用したときに発生する割れです。

  応力集中点は、 摩耗、フレッチング、エロージョン、キャピテーション、
点食、浸出腐食、粒間腐食、濃淡電池、隙間腐食、ガルパノ腐食などの結果として、
また金属表面組織とか、皮膜保護性の局部的相違などの結果として生じます。

  さらに、機械加工、成形作業、溶接作業などによっても発生します。発生する
引張り応力の原因は、使用中の圧力、熱応力、静荷重と、あまり大きくない繰返し
負荷などと、溶接、鋳造、過大熱処理、不均一加熱などの熱的作業過程に導入され
る残留応力などです。

  応力腐食割れの一般的特徴は、割れが分岐すること( 写真参照 )、破面が
もろく見えること、金属と環境との組合せによって割れ径路が変わることなどであり、
本質的な特徴は、特別の環境だけがこの種の割れを起こすこと、純金属は非常に
まれにしか応力腐食割れを起こさないことなどです。
  結晶粒界が析出相、貴な成分の固溶濃度欠乏、あるいは卑な成分の固溶度富化、
不純物の吸着偏析などの原因で、粒内に対してアノードとなると粒界応力腐食割れ
が起こります。







■応力吸着割れ ( stress sorption cracking )

  代表的な応力吸着割れは、液体金属ぜい化( liquid metal emblrittlement)
と呼ばれる現象です。塩素化ジフェニール、トリクロロフロロエチレン、トリクロ
ロエチレン。メチルアルコール、エチルアルコールなどによるチタニウム合金の
割れもこれに分類されます。




■水素脆化 ( hydrogen embrittlement )

  腐食反応の結果発生した活性な水素原子を吸収しても、気体環境中に含まれる
水素分子が接触的に解離して生成する活性な水素原子を吸収しても、引張りひずみ
過程にある鋼とある種の金属はもろい破断を起こします。写真に青酸蒸気環境中に
おけるばね鋼が凝縮青酸によって水素ぜい化を起こした状態を示します。






■腐食割れ ( Corrosion fatigue )

  周期的に繰返す動荷重により腐食環境中におかれた金属が疲労することを、
腐食疲れといいます。腐食疲れには、限界応力が存在しないという特徴があります。
つまり、マイナー則が成立しません。写真に、回分式硫安遠心分離機主軸の腐食疲れ
を示します。.






■フレッチング腐食 ( fretting corrosion )

  小さい振幅で、相対的に擦過し合う二面問の運動をフνッチングといいます。
また、その結果として生じる損傷を含めてフレッチングということが多いです。
気体中でフレッチングを起こすと、酸化物、窒化物、硫化物などの摩耗粉を生じ、
水溶液中でフレッチングを起こすと通常の腐食生成物となります。
  フレッチング腐食は、軸受、歯車、カップリング、リベット継手とピン継手、
焼ばめ軸と圧入軸。ワイヤーロープ、輸送コンテナ、電気接点などに発生します。
写真に、ロータリーキルン受圧入軸のフレッチング疲れ破壊を示します。















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テーマ : ものづくり
ジャンル : ビジネス

tag : 腐食

コメント

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自動車業界はおかしい

 鉄鋼材料でS45CやSUS304が問題になったらそれは時代的な大問題だ。ようは層でもない細かな話を主流のように見せかける傾向が腐食技術者にはあって今も混迷を続けている。そういうのを鋼材商人仕掛けているのを見抜く力を今後の材料技術者は養ってもらいたい。ティアワンや鋼材商人は材料技術者を手玉にとってなんぼなのですから。つまり自ら情報を発生させる能力はないが、広範囲な情報を集めてストーリをつくる商売。今はアリよりもキリギリスが謳歌しているといわんばかり。俯瞰像を持てばアリのほうが強いのに。
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