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ねじの緩み 忘れたらアカン ものづくり

マーシーです。

ここでは、ねじの緩みについて述べます。

ねじは締付けた直後は、予張力が発生しています。しかし、機械の使用中に様々な原因で予張力は減少します。予張力が減少した状態を、ねじが緩んだといいます。

ねじの緩みは、2種類に場合分けされます。一つはねじが戻り回転しない場合、もう一つは戻り回転する場合です。以下に、緩みが発生する色々な原因について示しますが、(1)~(5)はねじが戻り回転しない場合の緩み、(6)~(9)はねじが戻り回転する場合の緩みになります。

(1) ねじ締結部の接触面の微小な凹凸のへたり
ねじ締結部の接触面は、ネジ面や、ボルト・ナットなどの座面、締付け対象物どうしの接合面などが考えられますが、その表面は微小な粗さを持っています。この粗さは表面の凹凸になりますが、その凸部がへたることによって生じる緩みで、初期緩みといわれています。

初期緩みは、凸部がへたりによりある程度進行した後、停止します。従って、対策としてはへたりが止まった時期に増し締めをするか、へたりの量が予測できる場合は、設計段階で考慮することも可能です。


(2) ガスケットのへたり
密封のため、接合面にガスケットをはさみ、ボルト締めをします。ガスケットは通常機器の運転中にへたりを生じねじの予張力が減少します。但し、ガスケットのへたりはある時期から進行が遅くなり、ねじの緩みの進み具合も遅くなったり止まったりする傾向があります。この緩みが止まる時期に増し締めをするか、へたりの量が予測できる場合は、設計段階で考慮することも可能です。


(3) 座面が被締付け物に陥没
ボルトやナットの座面に、大きい面圧が作用すると、その接触部で被締付け物が環状に陥没します。この変形(陥没変形)は、最初の締付けの際にある程度発生します。この陥没の進行が締付け終了後も止まらない場合は、ナットが戻り回転しないで生じる緩みになります。

ユンカー(ドイツ)は、ボルトの荷重が所定の値に到達した後、30~40秒で陥没の進行が停止して、その変形の期間中に発生した陥没深さが2µm以下の場合の面圧の値を、限界面圧(allowable limit of specific bearing surface pressure)PLと定義して、各種材料について実験を行いました(図(3)-1)。鋳鉄は圧縮荷重に対して強度が高いことから、許容面圧が高くなっています。

最大面圧(ねじ締結時に接触面に作用する最大の面圧力)が限界面圧を超える場合は、座金を併用したり、フランジボルト/フランジナットを使用して、面圧を下げるようにします。
許容面圧


(4) 接触部の微動摩耗
ねじ締結体は、接触部特に接合面で微動摩耗を生じることがあります。微動摩耗による緩みは、ねじを初期にしっかり締結して予張力を十分大きくして、外力が作用しても微動しないようにすることで防ぐことができます。


(5) 熱的要因
ボルトや被締付け物との熱膨張係数の差、締結時の温度と使用時の温度との差により、ねじ締結体が緩んだり、逆に締付け力が強くなったりします。この要因は、熱膨張係数や使用時の温度がわかっていれば計算ができるので、設計段階での考慮が必要です。

また、構造物や機械が火災にあい、ねじ締結体を構成するボルトや被締付け物の各部材の何れかが、その材料の再結晶温度を超えた場合は、ねじが予張力を失って緩んでしまっている場合があります。被災品の復旧の際は、ねじを交換するか再度締付けを行う必要があります。


(6) 被締付け物どうしが相対的にねじの軸線周りに回転変位を繰り返す
被締付け物どうしがねじを締める方向に相対的に回転する場合は、通常は、ナットが座面で滑ってネジが緩むことはありません。一方、ねじを緩める方向に回転する場合は、ねじの部分ですべりが生じて緩みます。相対的な回転の繰返しによって1サイクルごとにねじの緩みは進行します。

この場合、ねじのリード角が小さい、座面直径が大きい、摩擦係数が小さいことが緩まない条件を満足する方向になります。


(7) 被締付け物どうしが相対的にねじの軸線に直角な平面内で平行変位を繰り返す
被締付け物どうしが、ねじの軸線に直角な平面内で、回転を伴なわないで相対的に平行に変位をする場合、被締付け物がナットの座面ですべりを起こさないうちは、おねじがめねじの中で傾きます。その際に、おねじはめねじの中でネジが緩む方向にわずかに滑って回ります。ボルトの軸部はその分だけ弾性的にねじれを生じます。平行変位が更に進行してナットの座面で滑り始めると、そのすべりはボルト軸部の弾性ねじれを解消しようとする回転成分を解消しようとしてナットが戻り回転します。この動きは1サイクルにつき、2回ずつ繰り返して平行変位による緩みが進行します。

この場合、平行変位により生じるボルト軸部の弾性ねじれのモーメントが、ナット座面ですべりを起こさない範囲であればねじは緩みません。


(8) ねじの軸線方向の荷重が増減する
ねじに加わる荷重が増減して、ナットが弾性的に拡大縮小すると、ボルトのおねじは縮小拡大します。この際に発生するねじ面での微小なすべりは緩む方向への回転成分を持つので、荷重の増減が繰り返されるごとにボルトは緩む方向への弾性ねじれを蓄積していきます。

ナットが拡大縮小するときに、座面でも半径方向のすべりが生じます。そのすべりがボルトの軸部に発生する弾性ねじれを解消しようとする力による回転成分を持つときに、ナットはその分だげ戻り、回転します。弾性ねじれの蓄積と解消とのテンポが一致したととろで定常的な緩みが進行します。

この場合、緩みを発生しない限度の荷重振幅があります。実験によれば材料の疲労限度以上になった場合とされています。従って、疲労破壊に対する対策をしておけば、この場合の緩みは無視できると考えられます。


(9) 衝撃的な外力が繰返し作用する
衝撃の影響で、おねじとめねじとの接触部が衝撃の反動で離れてしまう場合、一方は、他のねじ面に直角に近い方向に離れます(ただし、半径方向の変位は制限されています)。この次に、反動での離反が終わり、再接触しようとする際は軸線に近い方向をとります。この繰り返しにより、ボルト軸部に緩み方向の弾性ねじれが蓄積します。

衝撃の影響で被締付け物どうしの接合面が瞬間的に離れることがあれば、その際ボルト軸部に蓄積された弾性ねじれが解消しようとして、解消する分だけボルト・ナットが被締付け物とともに相対的に戻って回転します。

もし、ボルトの軸力が衝突の速度や接合面の接触面積などの要因で決まるある値以上であれば、接合面の離間は発生せず、ねじは緩みません。  

                                                                                                                                                                                                                                      



出典:機械工学便覧 第6版
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tag : ねじ,許容面圧,座面,再結晶温度,

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